俺の小学校時代を思い出して息子のまると比較してみた。
自分で言うのもなんだが、まるはすごく素直に育っている。
多少反抗してくるがまだまだ親の言うことは聞くし、友達とも可愛らしい遊びをしている。
俺が小学4年生の時に流行っていたことがある。
偽装ラブレターだ。
当時仲間同士で下駄箱や机の中にこそって入れて遊んでいた。
俺もやったし、やられた。
ただ、俺がターゲットになった場合は何となく女の勘をフル稼働して、途中で気付いて終了というパターンだった。
その遊びが中学まで続いたことは覚えている。
また、今でも書いた内容をいくつか覚えている。
困ったことに文章を書く構成やキーワードの選び方は今と大して変わってない。
つまり成長していないわけだ。
その中でも強烈に覚えている中学のエピソードをトイレ休憩前に披露したいと思う。
登場人物:シンジ(友人男)、カヲル(友人男)、レイ(恋に恋する女子)、他(レイの友人女)、俺。
ある日、シンジと話をしていたのだが。
”最近、カヲル調子に乗ってるね”
”そろそろラブレター落とす頃だな”
とこんな会話をカヲル以上に調子に乗った男達で繰り広げた。
一応言っておくが実際の女子の名前を語ったのは小学校時代の数回。
今回はシンジと話し合って架空の女子キャラを作り上げた。
大まかな内容としては、以下の通りである。
いつもあなたの部活姿を見ています
サッカーする姿がまぶしくて、私にはもったいないくらい
あなたのことを考えると眠れない日が続く
無人島にエチケットブラシとカヲルのどちらかを持っていてくとしたらカヲル一択。
学ランの中にチェーンを付けるくらいなら、私の手作りキーホルダーを付けて欲しい。
好き、ほんと好き。
こんなことを言うのもなんだけど付き合ってほしいな(てへぺろ)
こんなラブレターを下駄箱に入れて次の日の部活で様子見
以外に普通、ってかいつも以上に冷静。
もっと挙動不審な感じにならないと見てる側はメシマズである。
そんな日が続いたある休日の午前。
シンジとカヲルと小学校のグラウンドでサッカーをしていた。
するとなぜかレイと取り巻きがグラウンドに来た。
住んでいる家からすると結構遠いはずだ。
正午近くになり
一旦家に帰って昼飯を食べた。
食べてる最中に、母親から何人かの女の子が俺を訪ねてきたと聞かされた。
何となく察してはいたが、クラスの女子からレイ達の誰かが俺の事を気に入ってる系の話をクラスの奴から聞いたことがある。
つまり、あれだ。
俺を捕食しようと企んでいるんだ。
でもその時の俺に興味はなかった。
その後、何事もなかったかのように午後からまたグラウンドに旅立って同じメンバーで集まる。
夕方頃また例のやつらが来た。
そこでシンジが一言。
”なんかカヲルの方見てない?”
シンジ、お前。
やる時はやると思っていたが、ここでそれ出す?
今で言うとメンタリストDaiGoばりにかっけー。
するとどうだろ。
部活の時間は全く微動だにしなかった小動物に変化が見られた。
”あっ、確かにカヲル見てるね”
俺も追撃した。
でも、カヲルは何も言わない。
それどころかニヤニヤしだした。
通報。
昨日に至るまで恒温動物並みに調整していたのかは知らないが、
シンジと俺の中ではラブレターの偽装が見破られてるという結論を出していた。
からの~、ニヤニヤ発見。
俺らもニヤニヤが止まらない。
ここで俺は渾身の力を込めてカヲルのボールをレイ達に向けてキック。
”カヲル、確かめて来いよ”
カヲルはニヤつきながらデリケートゾーンへ向かう。
通報。
そうするとものすごい反応がレイ達からあった。
キャァーという黄色い声があがったのだ。
あれっ?満更でもないんじゃね?
”お似合いだぞぉ”
”カヲル、照れんなよぉ”
的なことをシンジと俺は言いまくる。
面と向かって女子と話すのは何となくあの頃は負けたように感じていたが距離があれば別。
それこそ羽毛布団の押し売りかというくらい畳み込んだ。
そんな日から1週間後。
実はシンジから衝撃的なことを聞く。
”レイってお前のことが好きなんだって”
えっ、レイなの?
レイ達の誰かだとは思っていたがまさかのレイ。
話したことは一度もない。
”でもね、好きな人をお前からカヲルに変えたんだって”
えっ、そうなの?
ってことはあれだ。
学生時代よくある周りのみんなにヒューヒュー言われたらその気になるパターン。
俺らはその足でカヲルに報告。
その後、彼らはつきあうことになった。
その後、シンジと俺がみんなに愛を届けまくったのは言うまでもない。